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医療の限界 [400番台]

医療の限界 (新潮新書 218)

医療の限界 (新潮新書 218)

ここでいう「限界」とは、2つの意味がある。

医療の限界」と聞くと、何を想像するでしょうか。完全な治療法が見つからない病気があることが「限界」のイメージを思わせます。しかし、この本で取り上げている「限界」は実は「医療従事者がもう限界である」という意味と「医療を取り巻く環境がもう限界だ」の2つを挙げています。

「医療従事者の限界」は、それこそ医師や看護師などがあまりの忙しさにどんどん離職していくことを示しています。また、「医療を取り巻く限界」とは、「医師は病気を完璧に治すもの」という幻想が患者側にあり、治療できなければ「医師がワルモノ」とされてしまう環境を示しています。

たしかに医療従事者の仕事の量は膨大で、医療従事者がかえって体を壊してしまうケースも見られます。これだと続けていきたくとも肉体的に無理な環境になりました。また、ちょっとした医療トラブルが「裁判沙汰」となり、リスクのある治療を医師が行えなくなったことも実際に増えてきました。リスクのある治療といっても、産婦人科での出産が、それに該当するようになり、実際妊婦が死んだことで産婦人科医が「業務上過失致死」で起訴された事件も発生しています。

このような背景があるために、産婦人科が減少しているのも事実です。出産はもともと非常にリスキーなことのようです。しかし、それが裁判で有罪になるようでは、もう誰も産婦人科(もちろん医師や看護師という職業全般が)成り立たない状況になりつつあるのです。

この本を読むと、この国の医療の行く末がとても心配になります。これだったら、病気になったらポックリ逝くことがこの国では正解ではないかと思えてしまうくらいです。


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